ゆるす

2019年01月06日

痛手を受けたら、悲しみや憤りが心の中を渦巻く。

相手を『ゆるす』『ゆるせない』の前に、自分の中のその感情をどうしていいのかわからない。

自分の中の感情と相手との関係の『ゆるす』『ゆるさない』は、別のことだ。

そして、「人をゆるさないのはいけないこと」「人をゆるさないから自分が苦しむ」

「ゆるせないじぶんは悪い奴」と人から追い討ちをかけられられたり、自分で自分を追い詰めてしまう事もある。まるで傷口に塩を塗るようなもの。

傷んだ時は、自分の内面も辛い。自分の痛んだココロをもてあますこともある。

それだけではなく、人との関係が断絶したり距離が生じた喪失もある。

それらが緩される(ゆるされる)まで、時が要ることもある。

自分を傷つけた相手の言動の動機を受け入れることができるのは『許す』。

そうせざるをえなかったのだとわかること。

相手が謝ったら、それに対しては『赦す』。

相手を(自分を傷つけた)犯罪人から解除するということ。謝っていない人を赦せない。

ある辞書を調べていたら『ゆるす』に『聴す』の漢字があった。

相手に、耳を傾ける事、これも『ゆるす』。


武田出版 「ココロのしずく」たかはしたかこ著 より