怒れない人たち

2018年10月11日

理不尽な仕打ちを受けたり、自分が悪くないのに嫌な目にあったら、腹が立つのがあたりまえだが、世の中には『怒れない人』もいる。

『怒ることはよくないことだ』と思い込んでいる人、どのように怒っていいのかわからない人、怒りの原因が外であっても自分に怒りを向ける人たちだ。

怒りを適切に表現できない人たちの1パターンは、『怒りという感情』を怒りとして表現しないので、その昇華しきれない感情の『理由』を詮索したり分析したりする。

怒りを感情で表現してしまえば済むものを、理屈をこねまわして、自分の感情を納得させようとする。理詰め戦法だ。こういう人の話は、たいていくどい。

「あなたは正しいだけど、共感はしにくい」ということだ。

もうひとつの怒れない人のパターンは、怒ることに自信がない人たち。怒るよりも自分を責める。DV (ドメスティックバイオレンス)を受け続けている人はこのタイプかもしれない。

長い間怒りを抑圧していて、怒りがその人のココロの奥に固まってこびりついている。『怒り』は、案外難しい。なにに対して『怒っていいのか』見極めないと、単なる自己中心の表現になってしまう。

正しく怒るためには、自分の権利と相手の権利や正しいこと悪いことの価値基準が必要だ。

怒っても、場所と時をわきまえない爆発や、相手を傷つけるのはよくない。

怒るのには技術が要る。


「ココロのしずく」武田出版 たかはしたかこ著 より